サプライズなお墓づくり
奥様と娘さんたちを残して、旅立ったご主人。
将来のことを考えたら、お墓を建てなくていいよね?と娘さんたちに相談すると
「何で?お墓建て てよ。」
という言葉をきっかけにお墓を建てようと決心がついたそうです。
ご主人だけのお墓じゃないけど、家族、友人が来たときに寂しくないお墓らしくないお墓にしたい。
そして、娘さんたち、家族にはお墓を建てることだけ伝えたけど、
どんなお墓になるのか内緒にしておいて、
驚かせたいというミッションも一緒に進めました。
決まっていたのは、名字を入れないこと、
そして、ガラスを入れて光の通る明るいお墓にしたいということ。
そんな希望を中心に、ご主人や家族の話を聞きながら、
お墓のデザインをラフスケッチしていきました。
私の娘が施主様の娘さんと同い年という共通点もあり、
子ども話で盛り上がり、毎回、笑顔のこぼれる打ち合わせになりました。
初めは全くお墓のイメージがなかった施主様でしたが、毎回、一緒にアイデアを出しながら、
楽しい打ち合わせ。重ねるごとにデザインがまとまっていきます。
積み重ねられたコミュニケーションは自然と家族の人柄がお墓にも反映され、
オリジナリティが浮かび上がってきます。
墓石に名字は入れない代わりに、どんな言葉を彫ろうか大変悩まれていました。
いろいろ思いを巡らせている時に思い出したのが、
ご主人がよく口ずさみ、娘さんも鼻歌を歌っていた曲「糸」。
家族みんなが好きな歌だし、歌詞が家族の絆にも聞こえていいねと決まりました。
そこからは、その歌詞を入れることを考えたお墓にしようと決まりました。
赤澤さんが机の上に半紙の筆を用意し、話を丁寧に聴きながら書いてくれます。
施主様の口から出た言葉がさらりさらりと筆が踊り、半紙に投影されていく…。
作品があっと言う間に出来上がっていきます。まるで魔法のよう。
施主様と二人で感動して眺めていました。
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一般的な書だと面白味がないと思っていたし、施主様の想いを書に乗せたかったので、
赤澤さんに声をかけられたことが今回のポイントになりました。
また、施主様からも私も入るんだからと、ご自身の好みで嵐カラーである5色のガラスを選びました。
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そして、さりげなく、目立たないように旦那さんの口ぐせも入れようと。
そんな感じで、共に楽しみながら進めていったお墓づくり。
もちろん、完成予想の設計図は家族に見せずに進めました。
だから、私もお墓を見た時の家族の反応が気になるところでした。
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そして、納骨式当日。
直前まで、雨が降っていたのですが、納骨式の頃には弱くなり、
傘をささなくても大丈夫なぐらいになっていました。
初めて、見るご家族は「素敵だねー」「いいねー」「彫刻、面白いね」って、
みんな笑っていて、笑顔があふれていました。
私は、その反応に嬉しくなりました。
サプライズは成功です!!!
様々な感情の中でのお墓の建立。
施主様、ご自身ですべてを決めることは大変だったかと思います。
「さみしさのないお墓」
お墓という家族の象徴が、ご主人と施主様の人柄になり、
そこにあるだけで、想いが感じられるお墓になりました。
最後まで明るい施主様には、一緒にお墓づくりを通して、
私も思いのあり方を学ばせていただきました。
施主様、ご家族の皆様。
そして、きっと、あたたかく見守っていただいたご主人様。
素敵な機会を
ありがとうございました。