改葬とは 手続きの流れ

1)改葬とは、遺骨の引っ越しのこと
改葬とは遺骨の引っ越しのことです。
さまざまな理由で住み慣れた地を離れて別の土地に移住される人がたいへん多くいる中、遺骨も一緒に引っ越ししようとする人は大変多くいます。
お墓と一緒に引っ越しされる方、またはお墓にある遺骨だけを取り出して引っ越す方など、その内情はさまざまです。
こうした改葬は勝手にすることはできず、必ず役所を通した書類上の手続きが必要になります。

2)遺体や遺骨に付随する公文書
遺体や遺骨には必ず公文書が付随します。
これは、取り扱う遺体や遺骨の身元を照合するためのものです。重要な書類なので大切に保管し、しかるべき窓口に提出しましょう。

【死亡診断書または死体検案書】
人が亡くなると、その人が死亡したことを証明する公文書が発行されます。
でなければ、その後の火葬や埋葬といった死後の手続きに進めません。
これが、死亡診断書または死体検案書になるのですが、これらは医師により発行されます。この書類が役所への死亡届を兼ねることになります。
故人の戸籍の情報、死因、死亡時刻、死亡場所などが記載されます。

【埋火葬許可証】
死亡届を役所に提出することで、火葬許可証を発行してもらいます。
いまの日本の火葬率は99.9%だと言われていますが、法律上、土葬も認められているために、書類の名称は「埋火葬許可証」となっています。
さて、火葬を終えた遺骨(焼骨)をお墓に埋葬する時には、遺族は必ずこの「埋火葬許可証」を墓地の管理者に提出しなければなりません。埋葬される遺骨が書類に記載された人のもので間違いないという証明になるからです。
また、墓地の管理者も、この「埋火葬許可証」がなければ納骨させることはできません。

【改葬許可証】
墓地に埋葬した遺骨を取り出して、別の墓地に埋葬したい場合、改葬元の自治体から「改葬許可証」を発行してもらい、改葬先の墓地に提出しなければなりません。

3)改葬手続きの流れ
ここでは、改葬手続き一連の流れを見ていきます。
1. 改葬許可申請書に必要事項を記入します。改葬許可申請書は役所で入手できます。また、申請者は改葬元の墓地使用者であることが一般的です。
2. 改葬元の墓地の管理者の署名と捺印をいただきます。
3. 役所に改葬許可申請書ならびに必要書類を提出し、改葬許可証を発行してもらいます。
4. 改葬元の墓地から遺骨を取り出します。
5. 改葬先の墓地に改葬許可証を提出し、遺骨を埋葬します。

4)改葬の注意点
1. 必要書類は自治体によって異なります。必ず事前に役所に確認しましょう。
2. 寺院墓地や、地域の共同墓地など、書類の管理がなされていない場合があります。「うちでは埋葬許可証は預かっていない」「昔の方の遺骨だからどこにいったか分からない」などはよく聞かれる声です。このような場合はすみやかに役所に相談しましょう。
3. 寺院墓地から改葬する場合は、寺院の了承を頂く必要があります。ただ遺骨やお墓を引っ越すだけでなく、供養していただいていた寺院との縁が途切れるわけですから、きちんと事情を説明しないとトラブルの種になってしまいます。