永代供養の料金・相場について

1)そもそも永代供養とは
永代供養とは、家族などに代わって、寺院や霊園が永代に渡ってしてくれる供養の方法のことです。単身者世帯が増えていたり、親子が遠く離れていることが当たり前となってしまっている昨今、永代供養を選択される方が増えてきています。

2)永代供養は昔からあった
永代供養自体は昔から行われていました。
その家に子供や墓守がなく途絶えてしまう場合には、寺院がその供養を一手に引き受けたのです。
とはいえ、それらの多くは菩提寺が檀家の供養を引き受けるのであて、昨今のように寺院や霊園が一般向けに永代供養を募ることはあまり見られませんでした。

3)さまざまな永代供養
永代供養にも、さまざまな形式や方法がありますが、最終的には家族の手を離れて寺院や霊園に供養を代行してもらう、というものです。13回忌や33回忌までは個別に供養して、それらの期間を過ぎると合祀(他の方と同じ場所に遺骨を埋葬すること)するのが一般的でしょう。もちろん、はじめから合祀を受け付けてくれるところも多々あります。

【単独墓】
単独墓とは、通常のお墓と同じことです。個別に石塔を建てて、お墓の中のカロート(納骨棺)の中で遺骨を骨壺のまま埋蔵します。一定期間(たとえば33年)を過ぎると遺骨は合祀されます。

【集合墓】
集合墓とは、1つの石塔やモニュメントの中に個別の納骨スペースが設けられているタイプのものです。駆体や地下室の内部に納骨室や納骨棚を設け、その中で遺骨を骨壺のまま保管します。集合墓の上部には石碑や仏像などの礼拝の対象物を据えます。こちらも一定期間を過ぎると遺骨は合祀されます。

【合祀墓】
合祀墓とは他の方との同じ場所に遺骨を埋葬するための施設です。単独墓の遺骨も集合墓の遺骨も、最終的には合祀されるので、土中に還すことができるように設計されています。

【納骨堂】
寺院によっては建物の中に設けた納骨用のロッカーを保有していることもあります。これは、造りこそ屋外用の石塔ではなく、屋内用のロッカーなのですが、礼拝スペースや遺骨の安置ができるように設計されています。ロッカータイプのものもあれば、仏壇タイプ(扉の中に宮殿や須弥壇などの荘厳がなされ、本尊を礼拝することができる)のもあります。こちらも一定期間を過ぎると合祀されます。

4)それぞれの費用の相場
永代供養の費用は、<寺院による供養料>+<遺骨の埋蔵施設の費用>で考えることができます。これらの内訳を個別に表示することもあれば、まとめて表示することもあります。

【寺院による供養料】
寺院による供養料は、寺院の考え方によって大きく異なりますが、10~50万円くらいがひとつの相場ではないでしょうか?

【単独墓の場合】
寺院による供養料+墓地・墓石代(約100~200万円)
※選ぶ墓地面積や墓石の種類などによって金額は増減するでしょう。

【集合墓の場合】
寺院による供養料+墓石への彫刻費(約25万~50万円)
※集合墓はすでに寺院や霊園側で用意されているので、供養料を支払うだけで埋蔵することができます。

【合祀墓の場合】
寺院による供養料+墓石への彫刻費(約5万~15万円)
※合祀墓は個別に供養や埋葬をすることなく、他の方の遺骨と同じ場所に埋葬します。そのため、費用を安価に抑えることができます。

【年会費や護持費】
寺院や霊園によっては年会費や護持費などが必要となることもあるでしょう。
墓地や墓石の管理や清掃などにかかる費用を利用者の方々の年会費で補うだけでなく、毎年の支払いがあることで寺院や霊園とのご縁をつなぎ続けるきっかけともなります。

納骨をするまでの流れが知りたい!

日本では、亡くなった方は火葬され「お骨」となり、そのお骨をお墓へ納める儀式を「納骨」(仏教での正式名は「納骨法要」)と呼びます。
これだけ聞けばごく簡単そうに思えますが、実際には、納骨までに決めなければならないこと、手配すべきこと、準備すべきものなどがあり、また時期を選んで親族に伝える必要も出てきます。
宗教によって異なることもあるため、しっかり調べて進められるようにしておきましょう。


■一般的に納骨をする時期
納骨をする時期としてもっとも一般的と考えられるのが「四十九日法要」のタイミングです。
これは、故人がお亡くなりになられてから四十九日目に当たる日を指します。
ただし、ご家族・ご親族の都合を考え、四十九日目の当日ではなく「その前の土曜・日曜」などの休日を選ぶことが多いようです。

なお、納骨は必ず四十九日法要に合わせなければならないというわけではなく、翌年の命日(1周忌)ほか、初盆、お彼岸などが選ばれるケースもあります。

加えて、納骨の時期は、地域の慣習にも左右されます。
たとえば、亡くなってから3ヵ月以内に納骨する地域のほか、四十九日法要の前に納骨する地域、火葬後すみやかに納骨する地域も存在します。いずれも納骨は地域の慣習に照らしつつ「法要・火葬を終えた日」に選ばれることが多いでしょう。


■納骨までに準備すること
・決めること
もっとも重要な決定事項は「納骨の日取り」です。
余裕があれば、参加予定の親族の予定も聞きつつ、参加しやすい日を選びます。
なお、お墓への納骨ではない場合(納骨堂の利用、自然葬など)は、それも考慮しつつ段取りを決めましょう。

・手配すること
納骨に必要な手配をするに当たり、連絡すべき主な場所は「お寺」「墓地の管理事務所」「石材店」の3カ所となります。

「お寺」
こちらの納骨希望日を伝え、法要可能かどうかを教えてもらいます。希望日の法要が難しい場合は、お寺側が提示するいくつかの日にちの中から決定しましょう。

「墓地の管理事務所」
納骨の手続きを行います。霊園や墓地の担当者に必要なものをあらかじめ聞いておくと良いです。

「石材店」
戒名の彫刻などを依頼します。なお、石材店の中には「法要後の会食の手配」まで行っているところがあるので、必要な場合は問い合わせてみましょう。

・準備するもの
納骨当日の準備としては、以下のものが必要となります。

・お骨
・各種証明書(埋葬許可証、火葬証明証、墓地利用許可証など)
・はんこ(認印)
・お布施や謝礼(お寺や石材店へ)
・供物(果物、お花、ろうそく、お線香、お酒など)
・数珠(じゅず)

なお、お供物は生ものが多いので、納骨日の前日くらいまでを目処に準備すると良いでしょう。


■まとめ
新規で墓所を購入する場合は、霊園探し・霊園見学・石材店選び・墓石のデザイン決定~工事で3ヶ月以上かかります。納骨の日取りを大きく左右しますのでご注意ください。
また、今回は仏式(仏教)の納骨方法をご紹介しましたが、宗教の違いによっても日取り・方法が異なってきますので、事前に確認しておきましょう。

メモリアルローンってなに?

冠婚葬祭には何かとお金がかかります。たとえば、結婚式には「ブライダルローン」がありますが、墓石の購入やお葬式など葬儀関係に使えるローンはないのでしょうか?
実は、銀行をはじめ、石材店なども「葬儀関係のローン=メモリアルローン」を取り扱っています。
今回は、メモリアルローンの概要と、それを取り扱う金融機関をご紹介します。


■メモリアルローンを提供している金融機関
・銀行
銀行が提供するメモリアルローンのメリットは、低金利でなおかつ長期的な返済が期待できるということです。一方、ローン審査については厳しめです。なお、メモリアルローンが用意されていない銀行でも「多目的ローン」(フリーローン)が葬儀関係に利用可能なケースもあります。

・信用金庫
信用金庫が提供するメモリアルローンのメリットは、銀行と同じく、低金利で、なおかつ長期的な返済が期待できるという点です。一方、自宅や職場が信用金庫のエリア内になければ利用できません。

・消費者金融
消費者金融は、メモリアルローンという名称の商品を扱っていることは少ないようです。しかし、借り入れたお金の使途は自由度が高く、故人のために使うこともできます。特に、審査や融資のスピードについてはメリットが期待できます。一方、金利は銀行や信用金庫よりも高めとなっています。

・葬儀社や墓石販売店
多くの葬儀社、墓石販売店もメモリアルローンを用意しています。墓石購入や葬儀の申し込みなどの際にすぐローンを組める点は利便性に優れているでしょう。一方、金利についてはオリックスやオリコは安いようですが、一般的には高めであることが多いようです。


■まとめ
メモリアルローン選びにおいては、金利重視(低金利)ならば「銀行や信用金庫」、とり急ぎお金が必要ならば「消費者金融」、墓石購入などと同時にローンが組める利便性を求めるならば「葬儀社や墓石販売店」を目安とすると良いでしょう。

寿陵ってなに?

お墓の建立は自分の死後、家族が手配してくれる。そんなイメージが一般的ではないでしょうか?
実は、亡くなる前にお墓を用意する「寿陵(じゅりょう)=生前墓」は、日本においても決して珍しいことではありません。寿陵とは一体どういうものなのか、どんなメリットがあるのかを説明します。


■寿陵とは
生前に自分のお墓を作る「寿陵(じゅりょう)」。
その歴史は、聖徳太子の寿陵建立にまでさかのぼります。
近年では、昭和天皇も生前にお墓を作りました。さらに、寿陵のルーツといわれる中国では、秦の始皇帝も生前にお墓を作ったとのことです。近年では、人気の墓地を早めに確保する目的で、生前にお墓を建てる方も増えています。


■生前にお墓を建てるメリット
・縁起がいい
「生前にお墓を建てるなんて、縁起が悪いんじゃないの?」そんな心配をされる方もいらっしゃることでしょう。しかし寿陵は、仏教の教えでは「逆修(ぎゃくしゅ)」といい、むしろ功徳が大きく、縁起が良いこととされています。昔から寿陵を作ることには「家内円満」「子孫繁栄」「長寿」の三徳があるといわれています。

・負担がかからない
寿陵を建てることは、残されたご家族にとって「二重のメリット」があります。

1つ目のメリットは「お墓選びや手配の負担からの解放される」ということです。
お墓づくりには、石材店等との綿密な打ち合わせが必要となりますので、程度の差はあれご家族に負担をかけることになります。遺言でどんなお墓にして欲しいか詳細に説明していても、やはりある程度はご家族の手を煩わせることになります。
しかし、事前にお墓を用意しておけばご家族にそのような心配をかけることはありません。

2つめのメリットは「節税効果」です。
たとえば、お墓づくりの費用をご家族に残して亡くなったとしても、そのお金には「相続税」がかかります。これを知らないと、残したお金ではお墓を建てるのに足りず、ご家族に経済的な負担をかける恐れもあります。
一方、ご自分のお墓を生前に用意した場合は、「墓所・霊びょう・祭具並びにこれらに準ずるもの」に当たるため、例外措置として相続税がかからないのです。

・ゆっくりとお墓選びができる
寿陵ならば、ご自分にとってベストなお墓選びが可能となります。
納得のいくまで時間をかけて、石材店やご家族とも相談することができます。


■まとめ
前もってお墓を建てる「寿陵」は、ご家族の負担増を避けることに役立ちます。あくまでもご自分のお墓ですが「残されたご家族へのささやかな心配り」という意味でも、検討する価値があります。
自分に合ったお墓を選べるという観点でも、ゆっくり考えることができるため是非一度相談にきてみてはいかがでしょうか。

墓じまいってなに?

核家族化や少子高齢化の問題は、お墓の継承や管理にまで及んでいます。祭祀継承者によってきちんと管理されないお墓は「無縁仏」(無縁墓)として将来的に処分される恐れがあります。大切なご先祖様のお墓が惨めな姿になる前に、「墓じまい」という選択を考えてみましょう。

■墓じまいとは
継承者がいなくなったり、あるいはお墓の移転などを目的にお墓の撤去や解体を行うことを「墓じまい」といいます。通常は、墓じまいにあたり、永代供養権を霊園やお寺へ返し、土地もきれいに整えなければなりません。墓じまいを行う場合は勝手に始めず、まずは、お墓の管理者にその旨を受理してもらってから行いましょう。


■墓じまいに適した時期
墓じまいに関する法律は存在しません。また、墓じまいは近年増加してきたものなので、慣習などの決め事も比較的少ないといえるでしょう。そのため、墓じまいに適したタイミングについては「祭祀管理者が納得できるタイミング」で良いでしょう。お墓の継承についてはいろいろ試行錯誤した方が良いかと思いますが、どうしても難しそうな場合にはご先祖様もわかってくださるはずです。

ご先祖様に気を遣い過ぎたりして、あまりに長い時間をかけると、墓じまいが物理的に不可能になるケースもあります。例えばご高齢の方は、ご自分が病気などで長期療養を強いられる可能性もゼロではありません。そのため、ほかに誰も墓じまいを頼める人がいない場合には「ご自分が元気なうちに行う」ということが大切です。


■墓じまいにかかる費用
墓じまいにかかる費用を平均化することは難しいですが、基本的な費用としては以下になります。

まず、お墓の解体と墓地の整地費用ですが、これは「工事の難しさ・手間」などによって大きく変わります。
次に、魂抜きや閉眼供養ですが、およそ2万円~5万円くらいが相場でしょう。
さらに、永大供養で30万~50万、改葬先の納骨堂に入れるのに3万円ほど、納骨供養に3万円~5万円ほどかかるとみておく必要があります。
加えて、墓じまいを機に檀家でなくなる場合は、3万円~10万円ほどの「お布施」をお渡しすることが慣習となっています。


■まとめ
ご先祖様にとってもっとも悲しいことは「墓じまいすること」ではありません。継承者やお参りしてくれる人が途絶え、誰からも忘れられ「無縁仏になってしまう」ということです。このような恐れがある場合は、墓じまいによって早めに手を打つことも、ぜひ検討されると良いでしょう。

墓じまいの手順をご紹介!

お墓を移したり、お墓の継承者がいない場合に検討される「墓じまい」。今回は、墓じまいの手順をわかりやすくお伝えします。

ご家族であっても、お墓の中のお骨を勝手に移したり、勝手にお墓を閉じることはできません。お墓の撤去や移転に伴う「墓じまい」には、きちんとした手続きが必要です。


■墓じまいの手順
・1.墓じまい後の遺骨の行き先を決める
墓じまいしても、遺骨(骨)は残ります。自宅で保管しても問題はありませんが、新しいお墓に移転する場合はもちろん「移転先となるお墓」が必要になります。なお、お墓の継承者がいないという理由で墓じまいする人も多いので、そのような場合には「公営墓地への改葬合祀」「散骨」「菩提寺で合葬」など、管理費のかからない方法から検討するのが得策です。

・2.祭祀継承権の確認
祭祀継承者とは「墓じまいを始めとする、お墓についての扱いを取り仕切る権利を持った人」うことです。仮に祭祀継承権があなた1人ならば、法律上は「あなただけで墓じまいを決めても良い」ということになります。しかし、事前にご家族へ墓じまいについて相談した方が、後々トラブルになりにくいです。また「よく確認したら、祭祀継承権を持つ人あなたではなかった」ということが判明するケースもあります。いずれも「祭祀継承権の確認」は必須事項といえます。

・3.墓地管理者に伝える
家族や親族から、墓じまいする了解を得られたら、本格的な墓じまいに移ります。まず必要なことは、お寺や、霊園の管理事務所などを「墓地の管理者に墓じまいしたいことを伝えること」です。具体的な手続き方法については、管理者から教えてもらいましょう。

・4.改葬許可申請をする
お骨を別のお墓へ移転するには「改葬許可証」が必要です。詳しくは、改葬先の霊園・お寺・納骨堂へお問い合わせください。

・5.撤去する専門業者を決める
お墓の撤去と整地には、専門の業者に頼む必要があります。これは「石材店」で問題ありません。場合によっては、墓地管理者から業者を指定されることもありますが、、おおむねご自分で決めることができます。
ある程度の費用がかかることなので、墓地周辺の石材店数社から、見積もりをとると良いでしょう。

・ 6.メンテナンスする
お墓のなかの遺骨(お骨)を出すと、カビや溶解ほか骨壷のひび割れなど、多くの問題が生じています。そのため、墓じまいのついでに「メンテナンスすること」が一般的です。たとえば、洗骨や骨壺の水抜きがよく行われますが、散骨には「乾燥・粉骨」、自宅供養では「洗骨を経て真空パック詰め」など、個々のケースに合わせた適切な処理がなされます。


■まとめ
墓じまいには、守るべき手順があります。また、それなりの費用がかかります。しかし、お墓を守る跡継ぎがいない場合などは、将来的に無縁物(無縁仏)となる恐れがありますので、早めに検討されると良いでしょう。
遺骨をどこに移動するのか、などの相談も承ります。