寿陵ってなに?

お墓の建立は自分の死後、家族が手配してくれる。そんなイメージが一般的ではないでしょうか?
実は、亡くなる前にお墓を用意する「寿陵(じゅりょう)=生前墓」は、日本においても決して珍しいことではありません。寿陵とは一体どういうものなのか、どんなメリットがあるのかを説明します。


■寿陵とは
生前に自分のお墓を作る「寿陵(じゅりょう)」。
その歴史は、聖徳太子の寿陵建立にまでさかのぼります。
近年では、昭和天皇も生前にお墓を作りました。さらに、寿陵のルーツといわれる中国では、秦の始皇帝も生前にお墓を作ったとのことです。近年では、人気の墓地を早めに確保する目的で、生前にお墓を建てる方も増えています。


■生前にお墓を建てるメリット
・縁起がいい
「生前にお墓を建てるなんて、縁起が悪いんじゃないの?」そんな心配をされる方もいらっしゃることでしょう。しかし寿陵は、仏教の教えでは「逆修(ぎゃくしゅ)」といい、むしろ功徳が大きく、縁起が良いこととされています。昔から寿陵を作ることには「家内円満」「子孫繁栄」「長寿」の三徳があるといわれています。

・負担がかからない
寿陵を建てることは、残されたご家族にとって「二重のメリット」があります。

1つ目のメリットは「お墓選びや手配の負担からの解放される」ということです。
お墓づくりには、石材店等との綿密な打ち合わせが必要となりますので、程度の差はあれご家族に負担をかけることになります。遺言でどんなお墓にして欲しいか詳細に説明していても、やはりある程度はご家族の手を煩わせることになります。
しかし、事前にお墓を用意しておけばご家族にそのような心配をかけることはありません。

2つめのメリットは「節税効果」です。
たとえば、お墓づくりの費用をご家族に残して亡くなったとしても、そのお金には「相続税」がかかります。これを知らないと、残したお金ではお墓を建てるのに足りず、ご家族に経済的な負担をかける恐れもあります。
一方、ご自分のお墓を生前に用意した場合は、「墓所・霊びょう・祭具並びにこれらに準ずるもの」に当たるため、例外措置として相続税がかからないのです。

・ゆっくりとお墓選びができる
寿陵ならば、ご自分にとってベストなお墓選びが可能となります。
納得のいくまで時間をかけて、石材店やご家族とも相談することができます。


■まとめ
前もってお墓を建てる「寿陵」は、ご家族の負担増を避けることに役立ちます。あくまでもご自分のお墓ですが「残されたご家族へのささやかな心配り」という意味でも、検討する価値があります。
自分に合ったお墓を選べるという観点でも、ゆっくり考えることができるため是非一度相談にきてみてはいかがでしょうか。